自己啓発系サークルについて4
大学1年の9月下旬、新興宗教の学生寮に入ることになる。
大学に入るとき、一人暮らしでアパートを借りていたが、学舎長やメール(学舎長夫人)と相談し、アパートは解約せずに、その代わり家賃3万円を学舎に納めることになった。
今となって考えると恐ろしいのだが、銀行クレジットカードと通帳をすべてメールに預けていた。
学舎に入寮してからは、授業に行く以外の時間は、伝道活動や原理講論の講義演習だった。
大学の夏休みや春休みといった長期休業は、万物復帰というふきんの販売活動だった。
私には、人見知りで人間関係を適切に築けないという強烈なコンプレックスがあったから、これを改善したいと考えていた。
神様の心情を理解してつながることで、神様を中心とした兄弟姉妹の関係を構築できることを目指していた。
しかし、学舎での兄弟姉妹との共同生活はつらかった。
合わない兄弟姉妹と一緒にいることが耐えられないのだ。
この時間を減らすために、授業の時間を多くとったり、一人で伝道に行ったりする時間が自然と増えていった。
また、万物復帰は、とてつもなく辛かった。
日産キャラバンという小型乗用車で車中泊をしながら、九州各地を回った。
朝の7時から夜の21時まで九州の田舎の民家を走って訪問し、ふきん売りをしていた。
2時間ごとに、隊長に売り上げ結果を電話報告をしないといけない。
ゼロという報告をすると、容赦なく詰められ辛かった。
体力も限界であるし、隊長からの詰め、民家の人からの否定、疑いの目、全てが辛かった。
個人的に一番つらかったのが、同じキャラバンで回っている兄弟が、自分より高い売り上げを上げていることだった。
なぜ、売り上げが上がるのか?
同じキャラバンで回っているので、与えられた訪問地域は、私と隣接する地域なのである。
だから、住んでいるひとの年収などの特性はほぼ同じなはずなのにである。
売り上げがあがる兄弟の証を聞くと、神様の心情が理解することができた、お父様(文鮮明氏)の心情とつながることができたなどであった。
その当時は、私がいくら祈り、神様とつながり、お父様とつながろうと思っても、涙など流すことができず、当然売り上げも上がらなかった。
今振りかえってみると、私の動機がずれていたのだと思う。
私の動機は、私の人見知りを克服し、人格改造をしようとするという個人的な目的に過ぎなかったのだ。
売上が上がった兄弟は、自分の個人的な目的から一歩進んだ目的のために働いていたというのは確かだと思う。
原理研究会から離れていまでも思うのだが、仕事でも目的達成するのは、やはり個人的目的ではなく、一歩高い視座からの目的で動いたときであると感じている。
そういう意味では、万物復帰は、抽象度の高い目的を設定することで、売り上げが上がるという体験をすることができたのだと思う。
私が原理研究会での万物復帰の1日の最高額は、3.6K(3.6万円、ふきん18枚)であった。
他の兄弟は、10K達成していたので、とてつもなく低い実績であった。
一緒のキャラバンで回っていた兄弟は、九州各地の大学学舎から集められた者たちであった。
大学の偏差値は、自分が一番高かった。
しかし、実績は自分がダントツでびりであった。
かなり屈辱であった。大学入試は自分が勝っているのに、この万物復帰ではだんとつで負けている・・・
20年以上経過した今でもこの原因ははっきりとは分からない。
だが、これは、自分の回避性愛着障害に起因するものであると考えている。
人間関係を適切に構築することができず、人の愛、感情が分からない、自分の特質に起因するものなのかもしれない。
回避性愛着障害、人生の目的が分からない、ただ死なないため、会社で怒られないため毎日死んだように生きれいる自分・・これから解決すべき課題なのである。