自己啓発系サークルについて3
大学1年の夏、自己啓発系サークルの夏休み修練会に参加する。
修練会という名目がもうそもそも怪しいのであり、この時点で参加なんかすべきものではないことは誰にでも分かる!
この当時は、地方から上京したばかりで右も左も分からず、人や物事を疑う知恵がなかったのだ。
明るくもてなしてくれるサークルの先輩の雰囲気が良いと思ってしまったのだ。
今考えると、これがまさに、新興宗教が行う洗脳そのものであった。
健全な人間関係から隔離し、一定期間外部環境から隔離した施設で洗脳する講義を行い、新興宗教内の価値観に染め上げる。
参加していた大学生は、本当にごく普通であった。
この中には、親が新興宗教の会員である、いわゆる2世といわれる立場の大学生が参加していた。
2世の大学生は、そうでない大学生に比べ、真面目な雰囲気は薄かった。
自分みたいに、人間関係に強烈な悩みを抱えて克服したいという真面目な思いがある一般の学生とは違い、親に言われて無理やり参加させられたという人たちが多かった。
研修では、原理講論という教義の講義が行われ、この実践として、万物復帰という物品販売をした。
万物復帰では、神を中心とした天国をつくるため、サタン側に奪われた万物(人間やお金が重視される)を神の側に取り戻さなければならないという教えであった。
この教えの元に、クリーンネスという化学ふきんを1セット2,000円で販売すべく、個人宅を訪問した。
私は、同期に比べ、成績は悪かった。
プライドが高く、それが許せなかった。
しかし、断られる精神的苦痛はつらかった。
これは、教祖が乗り越えてきた道だということで乗り切るように言われた。
結局、大した成果を収めることができずに終わる。
個人的には不完全燃焼で終わったが、この時点では洗脳されており、夏休みの研修後、学舎と言われる、新興宗教の寮に入ることになった。